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どうぶつの意識と気の流れ
どうぶつの意識II
家の中で暮らすペットの病 1
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コラム 『どうぶつの意識II』
あけましておめでとうございます。
命あるものすべて恙無く健やかに愛と恵みに充ちた素晴らしい年になりますように!今年もどうぞよろしくお願い致します。

どうぶつの意識II さて前回の続きということで書いていこうと思います。動物の中でも野生の動物、動物園の動物、産業動物等と、ペットとして飼われている動物とでは大きな違いがあります。ここでは我々臨床家の扱っている動物、所謂ペットに絞って話をすすめていきます。

1.ペットは自分の意思で病院に来ていない。
2.ペットは自分が病気であるという概念で捉えていない。
3.誰かに治して貰おうとして、いい薬、いい病院、偉い医者を求めているとは思えない。
ペットが連れてこられた場所は、痛いこと、嫌な事、辛い事等を一方的にさせられてしまうところとして、ペット達は受け止めているのではないでしょうか。では我々獣医師側はどんな事をしているのでしょう。ペットを診断する為、飼主からの問診から始まり触診、聴診、検温、採血、時にx-ray,エコー、と続きます。嫌な事ばかり。当然診断をするには必要な事なのですがそのまえに獣医師として何を心において対処するかをここで話していきたいと思います。
診察へ入る前に、診療台の上で緊張し、固まっているペットをまずどうしたらいいでしょう。
1.緊張を緩める。
2.てのひら、指先のセンサーに集中する。
3.身体全体で気の流れを感じあう。
緊張を緩めるためには包み込むように抱きます。"動物と溶け込む"という感覚、一体化した気持になるという感覚です。強く抱きしめずふわっと抱きながら、呼吸は鼻から吸い、口からゆっくりと胸から下腹に向かって細く長くはいていきます。するとだんだん自分自身も緩んでいきます。しばらく何も考えずじっとしています。その間たった1,2分です。その時手、指は意識せず耳の後ろ、首筋、頬などを軽く撫でています。(もちろん総ての犬や猫には出来ませんが飼い猫は比較的できます。トイ犬は飼主にへばりついているので、ひと時姿を隠してもらっています。)すると緊張していた体からすっと力が抜けて、緩んでいくのが体全体を当して感じられます。
次に手のひら、指のセンサーに意識します。毛の触感、乾湿、皮温、弾力、脈拍、緊張度、など手のひらと指で感じ取ります。人の指の先は敏感で触った瞬間にこれは木だとか、ゴムとか金属だとかが判るように温度にも敏感です。自分の耳に指を入れる気持でペットの耳孔に静かに入れ指の先で熱感を感じ取ってください。すると平熱か高いか低いかある程度判断がつきます。練習するには耳に指をいれたまま、同時に検温し指の熱感と検温の数字とを記憶し、何度かやっていますと大体大差なく体温を指で測る事が出来ます。緊張している動物の肛門に異物を突っ込まれる身になってみてください。屈辱的なことを我々は当たり前のごとくやっているのに気がつくでしょう。
診療に入る前に少しでもこのような事が出来るとお互いに緩んでいるので、動物は我々の手に違和感が無くなり、採血、注射の痛みが軽減し、その他の作業が非常にスムースに行えます。特に皮下注射をする時によくわかります。こちらがかまえた瞬間に察知され、相手はかまえます。動物は言葉や字ではなく相手の心の動きを察知して、瞬時に自分にとって良い波動か、厭な波動かを感じ取っています。ですから相手の心に変化をもたらすのは総てこちら側の心の動きによって決まるといってもいいでしょう。最近注射をするときには、ペットの気持よいところを撫ぜながら動きを止めずに、飼主さんと話しをしながら片手で打つようにしています。飼主さんにも注射という意識をはずして貰い「ちょっと我慢してね」とか「痛くないわよ」とか言わないでもらい、注射をしようとしても撫でている手を止めないようにお願いしています。すると注射という行為が何事もなかったかのごとくに終わっている事が多くなりました。
しかしまだまだ意識させないこと。自然体でいる事の難しさを感じています。このように身体を撫で回す事によって他にも普段気づかない異常を見つける事が出来ます。 動物の身体を触る場合、同じ触るのでも犬猫の気の流れているところ、所謂経絡や穴(つぼ)を頭に入れたマッサージを行う事によって、痛いところ、緩んでいるところ、気が滞っているところなどがわかるようになります。例えば顔の大きいシーズ-やコーギー、ビーグルなどは首の筋肉が硬くなっている事が多く、そこを、円を描くようにマッサージすると緩んできて、犬に喜ばれます。マッサージを飼主さんにもやって貰い、常に触られなれているペットにしておくと、飼主さんが早く異常に気がつく事が出来、それだけ早期発見に繋がります。
 東洋医学では望診、舌診、脈診、切診等の診断方法があります。これらは訓練により軽く触れたり、見たり臭いをかいだりすることによって、かなりの診断がつくようです。西洋医学のようにデジタルに誰がやっても同じ数字が出るわけではないので難しいのですが、動物が病気で苦しんでいるのですから、その上にもっと嫌な事をしなくて済むのなら少しでも少なくしていく事も、物言わぬ動物の医者として知っていてもいいと思っています。
 医療のなかの側面として前回書いたように、自然治癒力即ち自分の持っている力を発揮しもとへ戻る為の手助けとして、アロマセラピー、サプリメント、漢方薬、ホメオパシー等の代替治療(オルタナテイブ・メデイシン)などがありますが、これらも取り入れながら、少しでも医療人としてサジェスト出来たらよいと考えています。
2002.1.15  池田真三



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