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コラム 才子と愚鈍
 最近、京セラ会長の稲盛和夫さんのエッセイ「生き方」を読んでいて、随所で感動する場面に遭遇しました。その中でも、とくに下記に示す内容は圧巻でした。京セラは、稲盛さんが鹿児島の田舎から出てきて最初は京都で始めた零細町工場でした。稲盛さんには、そのときから自分が作ったセラミックの会社を日本一にしようとする情熱がありました。毎日、こつこつと単調なあまり変化のない生活を朝から晩まで行い、毎日毎日どのようにしたら良いセラミック加工の製品ができるか、そればかりを考えていたといいます。この点は、ホンダを設立した本田宗一郎さんと通じるところがあり、本田さんも毎日油まみれになって朝から晩まで働きづくめの毎日をすごしていました。現在は、お二人とも誰しも認める世界の京セラ、世界のホンダになっています。
 稲盛さんはこれまで社員を採用するに当たり、ひとつの教訓を学んだといいます。どのようなことかというと、才子は採用せず、どちらかというと愚鈍なタイプの人を採用するようになったことでした。才子を採用しなくなったのは、才子はどちらかというと今日をおろそかにする傾向があり、今日一日をじっくり生きる亀の歩みをせず、ウサギのごとく最短距離を行こうとするとの理由からでした。一時このような優秀で利発な多くの人が京セラでは入社しては、この会社には将来がないと辞めていった人が非常に多かったといいます。残ったのはどちらかというと転職する才覚もない鈍な人材でした。しかし、10年後、20年後では京セラの各部署の幹部のリーダーになり、現在の京セラの中心的存在になっていきました。この平凡を非凡に変えたものは何か?それは、ひとつのことを飽きずに黙々とつとめる力、一歩一歩、一日一日を懸命、真剣、地道に積み重ねることができる非凡なる力でした。このことができるか否で将来がまったく違った人生になる様な気がします。私たちが現在、就いている小動物の臨床の仕事もまったく同じであり、十分に時間をかけて経験を積み重ねていかないと実力がつかない仕事なのでまったく同様なことがいえるのではないでしょうか?「分かっていること」と実際に「できること」はまったく違います。ウサギよりカメの精神がこの小動物臨床にも当てはまるので、愚鈍な歩みを続けることが大切であると確信しています。



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