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コラム 一隅を照らす
 「古人言く、径寸十枚、これ国宝に非ず。一隅を照す。これ則ち国宝なり、と」 伝教大師最澄「天台法華宗年分学生式」の冒頭に出てくる言葉です。これは、最澄の師、唐の湛の著「止観輔行伝弘決」にある次の話を踏まえています。
  むかし、魏王が言いました。「私の国には直径一寸の玉が十枚あって、車の前後を照らす。これが国の宝だ。」すると、斉王が答えました。「私の国にはそんな玉はない。しかし、それぞれの一隅をしっかり守っている人材がいる。それぞれが自分の守る一隅を照らせば、車の前後どころか、千里を照らす。これこそ国の宝だ」と。
  これに感銘した東洋思想家の安岡正篤師は「賢は賢なりに、愚は愚なりに、一つのことを何十年と継続していけば、必ずものになるものだ。別に偉い人になる必要はないではないか、社会のどこにあっても、その立場立場においてなくてはならぬ人になる。その仕事を通じて世のため人のために貢献する。そういう生き方を考えなければならない」との見解を述べています。
  人は誰でも何らかの使命を果たすためにこの世の中に遣わされてきているともいいます。右顧左眄して、人をうらやんだり、自分を卑下するのでなく、自分の持ち場の一業に徹すれば、必ずいい仕事ができるといいます。一燈と揚げて、一隅を照らそう。そうすればそれがいつか万燈となり、国をも明るく照らすようになる。
  この「一隅を照らす」という言葉は、私の座右の銘としていつも自分に言い聞かせている言葉です。私は小動物の臨床医という仕事を通じて自分の持ち場の仕事を大切によい仕事が出来る獣医師になりたいと思っていますし、当院のスタッフにもいつものそのような内容のことを話しています。これらを実践することによって、自分の仕事が微力ながら人の幸福にほんの少しでもお役に立つのであれば最高に幸せではないでしょうか?



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